2008年ノーベル生理学医学賞

 スウェーデンのノーベル委員会は、2008年10月6日、エイズウイルス(HIV)を発見した業績に対してパスツール研究所(フランス・パリ市)のルック・モンタニエ博士とフランソワーズ・バレ・シノゼ博士、および子宮頸がんを引き起こすヒトパピロ-マウイルス(HPV)の発見の業績に対してハイデルベルグがん研究所(ドイツ・ハイデルベルグ市)のハラルド・ツア・ハウゼン博士に今年のノーベル生理学医学賞を授与すると発表した。

今年の受賞は、人間に広く蔓延している二つの病気の原因ウイルスを発見した業績に対して授与された。生理学医学賞は各ノーベル賞の先陣を切って最初に発表されるのが恒例となっている。正式な授賞式はノーベルの命日である12月10日にストックホルムで行われた。

今年は物理学と化学のノーベル賞を日本人が受賞し、それに対する国内での関心度も高かった。WHOの会議などで一緒に仕事をした2人が同時に受賞したことは個人的にも嬉しいニュースである。来年2月に中国で開催される予定となっているWHO会議にはフランソワーズが参加することになっており再会を楽しみにしている。受賞者3人ともヨーロッパ出身であるので、米国の科学者とは雰囲気がかなり異なる。フランスやドイツの文化がかもし出す静かなレストランでのワインが非常に似合う3人の受賞を心から祝福したい。

後者のハラルド・ツア・ハウゼン博士の業績については別紙に譲るとして、ここでは、前者のヒト免疫不全ウイルス(HIV)の発見の歴史を振り返りつつ、両氏の業績を簡単に述べる。