◆水生爬虫類のマイコバクテリウム症菌
   [Mycobacterium avium,Mycob.fortuitum,Mycob.Xenopi]

 これらの細菌は本来、トリ、ブタ、ウサギの結核や、ときにはヒトの呼吸器感染症(結核)、慢性肺炎あるいは尿路感染症の原因菌として知られている。一方、魚類とくに熱帯魚のマイコバクテリウム症の原因菌もあるが、アオウミガメ、アカウミガメなどに結核に似た結節をつくる病気の原因菌でもある。まれではあるが水族館で発生する例がある。マイコバクテリウム属の細菌はグラム陽性、好気性の桿菌(0.2-0.6×1.0-10μm)である。運動はせず、芽胞、莢膜、気菌糸などももたない。形も多様で細胞壁には特有の脂質が多く、染色後は酸、アルコール、煮沸などに対して抵抗性が強いので、抗酸性菌ともよばれている。
マイコバクテリウム・アビウムはおもに鳥類の結核菌として知られている。発育は37゚Cが最適温度であるが生育速度が比較的遅い。約7日で無色の集落をつくるが、さらに培養を続けると集落が黄色になる。マイコバクテリウ・キセノピもこれと似ているが、マイコバクテリウム・フォルツイタムはバター状の集落をつくる。

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