◆水生哺乳類のクロストリジウム症菌 [Clostridium septicum]
ヒトのガス壊疽(えそ)やヒツジの悪性水腫の原因菌でもあるこの細菌は、一般には土壌や動物の腸管内に広く分布しているが、クジラ、バンドウイルカ、サカマタ、アシカ、オットセイ、アザラシなどが傷を負うと感染して、おもに腸管に壊死(えし)をおこす。以前に食用として捕獲されたクジラから分離されたこともあり、とくに低温や高温でも耐性であるから注意が必要である。
クロストリジウム属の細菌はグラム陽性、偏性嫌気性の桿菌で、細胞の周囲に多数の鞭毛をもって運動する。また、高温や低温に耐えることができるのは芽胞をつくるからである。この病原菌の大きさは0.6-1.9×1.9-35.0μmと非常に幅があり、多形であることが特徴である。発育の適温は37-40℃であるが、46℃では発育しない。なお、この細菌の多くの菌株は種々の酵素や毒素(細菌毒素)を産生する。それらの中でDNA分解酵素、多糖分解酵素、溶血毒素などはよく研究された。

ウェルシュ菌

ボツリヌス菌

破傷風菌

細菌

壊死(えし)

グラム陽性菌

偏性嫌気性

鞭毛

芽胞

酵素

毒素

細菌毒素

DNA分解酵素

多糖分解酵素

溶血毒素