◆青潮 [Green tide,Green water]
赤潮に似た海水の異常現象である。一般的には夏季に有機物で汚濁した海域が異常に泥緑色ないし暗青緑色になる現象をいう。原因は植物プランクトンの大量増殖による。東京湾の大森付近の沿岸漁業者間では"あおっちお"とよばれている。その原因は黄金藻類の中の珪質鞭毛藻類のポントスファエラ(Pontosphaera)が異常に増殖することによる。青潮が発生すると、底層では酸素が珪質鞭毛藻類によって消費され、極端な場合は無酸素状態になり、それに代わって硫酸塩還元細菌が増殖して硫化水素が蓄積される。このような水塊が沿岸へ押し寄せると、魚介類の生育に影響して漁業に大きな被害をもたらす。
なお、五島列島の沿岸海域で"緑潮"とよばれている現象や、湖沼で発生する"青粉(あおこ)"とよばれている現象は原因プランクトンが違い、数種の藍藻(藍菌)が原因である。前者は海水性のユレモ科のトリコデスミウム(Trichodesmium)で、後者は淡水性のクロオコッカス科の藍藻ミクロシスティス(Microcystis)が原因である。これらの微生物が養殖池や沼などで大量に発生した場合は"水の華"ともよばれ、水質変化で魚類が大量に斃死(へいし)することがある。欧米ではこれが発生した池や沼の水を飲んだ家畜が死亡した例があり、その毒素を"急速死因子(fast-death factor)"と名づけられている。

白潮

厄水赤潮

植物プランクトン

黄金藻類

珪質鞭毛藻類

硫酸塩還元細菌

緑潮

青粉(あおこ)

藍藻

藍菌